別用途での土地使用事件

別用途での土地使用事件

賃借人に「資材置き場」として貸し出していた土地に建物を建てられてしまっていった…という事件です。当該土地の相続人の方からのご相談でした。
宅地とそれ以外では適用される法律が違ってきます。立ち退き請求も人が住む賃貸物件よりも容易なはずなのですが…今回は既に建物が「建った後」でした。

所有地が賃貸借契約書の内容通りに使用されていないことが判明、どう対応すれば良いのか困ってご来所されたご相談者様です。相手が契約違反だったとしても、当事者になってしまった場合、実際どうしたらいいのか困っていらっしゃる方は多いのではないのでしょうか。

 

ご相談者 
N様「別用途での土地使用」(女性 50歳 山梨県)

 

ご依頼いただきました案件の、相談から解決に至るまでの感想をお書きください。

資材置き場として貸していたはずの土地にユニットハウスが建てられており、相続時に判明いたしました。用途が違うので賃貸借契約を解約したくご相談いたしました。契約書どおりではない状態で使用されているのにどうしていいのかわかりませんでした。素早く対応していただき本当にありがとうございます。

 

当事務所をご覧の方々へ、どのようなことでも構いませんのでメッセージをお願いいたします。

大変困っておりました。素早く対応していただき、もっと早く相談に来ていたらと思います。早めに先生に相談されることをお勧めします。

 

 

お父様の土地を相続されたお客様でした。相談先に困られており、担当している不動産会社を通じ、話を聞いてもらうだけでも…とのことでした。資材置き場として契約したはずだったのに、数年後の相続時には既にユニットハウスが建てられてしまっていることに大変驚かれ、どう対応すればいいのかというご相談です。

 

契約違反による賃貸借契約解除の内容証明郵便に

 

  • 倉庫の撤去
  • 動産類の撤去
  • 原状回復義務の履行
  • 明渡し完了までの損害金の支払い
  • 土地の閉鎖

 

という内容で通告、賃借人が賃貸借契約に違反していることをしっかり伝えることで、土地の賃貸借契約を内容証明通り解除することができました。賃貸借の契約書には土地の使用用途が厳密に事細かに定められているので貸す側としては

 

「契約書の通り使ってくれているだろう…」
と考えるのが普通の感覚かと思います。

 

しかし実際は借りる方が「資材置き場として借りているのだから倉庫も大丈夫だろう」と勝手に解釈していたり、またはわかっていたとしてもそのまま使い続けているケースもあるのではないでしょうか。

 

貸主側も契約書には「建物は不可」と明記されているから契約は解除できる立場のはずなのですが、実際建物が建てられてしまった場合、自力で何ができるのか…実際はご自身での対応は難しいところだと思います。誠実な貸主様でしたので、早期解決できて本当に良かったと感じています。

 

今回は相続と不動産がからんだ事件でした。